DV被害の妻から伝えたい身近なDVの現実

DV被害の妻から伝えたい身近なDVの現実

配偶者からのDVを3人に一人の女性が経験しているとご存知ですか。DVは決して他人事ではありません。3年間DVを受けた体験から、被害者が自ら抜け出すことの難しさ、周囲の目の大切さを痛感しています。

DVは防げる

夫の電話を受けた後、ずっと吐き気が続いています。ここまで自分を追いつめる存在って何なんだろう。同居していたころ、夫の存在は恐怖でした。いない日は天国。なのに出先からしょっちゅう電話を掛けてくる。電話が鳴るたび、気持ちが沈みました。3年DVを受け続けたことで、身体には一生消えそうにない傷が、刻まれてしまいました。でも、目に見えない傷、精神的な傷の方が深刻です。精神を病む被害者は少なくありません。DV被害には遭わないのが一番。DVは防げます。このことを何回かに分けてお伝えします。

わが身に起こるとは思わなかった

私は今30代前半です。DVのことを学校で体系的に教わった記憶はありません。スティービー・ワンダーとベビーフェイスがDVの悲惨さと、傍観する社会を批判した“How Come, How Long”は、大学のころから、音楽のプレイリストに入っています。DVを目にしながら(気配を感じながら)、何もしない社会の問題点を突いた、このプロモーションビデオも、学生の頃に何度も見ていました。

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警察車両の並ぶ現場から、曲が始まります。DVを苦にした妻による殺人現場です。居合わせた隣人たちの顔が映し出され、彼ら、彼女らがDVを前に何もしなかった過去が映し出されます。ほとんど10年ぶりに、今再生しています。涙が止まりません。

DVを苦にした妻による殺人は日本でも少なくないのです。配偶者暴力防止法、いわゆるDV防止法ができる前の1990年代、長年夫から暴力を受けた妻が思いあまって夫を殺害し、その量刑が注目を集めたそうです。情状酌量の余地が大きく、刑は軽くなったそう。まだ当時国内ではDVがあまり認知されておらず、弁護側は相当苦労されたことでしょう。

典型的なDV被害者になってしまった

自分では何となく、DVのことを分かったつもりだったのだと思います。

でも、そんな私がDVに遭って何をしたかというと、周囲に隠し、自分を孤立させ、救いのない状況に追い込んでいきました。これは、DV被害者がとる典型的な行動で、加害者の思うつぼ。DVを分かったつもりの状態に、何の意味もありませんでした。

 

dvdiary.hatenablog.com

 

DVの具体的なことを、何も知らなかったのです。女性の約3人に1人が配偶者から暴力を受けたことがある。このことを知りませんでした。かなりの確率でそういう男性がいる、自分が被害者になりかねない。そう知っていたら、違う今があると思います。

結婚前から異常さを感じていた

夫に異常なところがあるのに、結婚前に気付いていました。DVを経験し、自分なりに勉強した今振り返ると、暴力をふるうようになる明かな予兆があったのです。相手を否定したり、ののしったりして、自分の意のままに操ろうとする精神的DVは、結婚前に始まっていました

同居もしていないのに門限を課す、怒鳴りつける、人づきあいを減らそうとする。あんまりだと思い、人に打ち明けたこともあります。「そんな男とは別れた方がいい」と言われました。

でも、従わず、3年間DVを受け続けることになりました。今の自分だったら、そんな選択はしません。DVに無自覚だったこと、相手を実際よりもいいものだと思い込もうとしたことが、取り返しのつかない結果を招いたのです。

DVに予兆はあります。この人、やばいんじゃないかと少しでも思うところがあったら、人に相談したり、解説書を読んだりすることをお勧めします。

 

 

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