DV被害の妻から伝えたい身近なDVの現実

DV被害の妻から伝えたい身近なDVの現実

配偶者からのDVを3人に一人の女性が経験しているとご存知ですか。DVは決して他人事ではありません。3年間DVを受けた体験から、被害者が自ら抜け出すことの難しさ、周囲の目の大切さを痛感しています。

報われない苦しみ

報われない苦しみ

DV被害者がどんなに加害者の更生を願っても、報われることは少ないです。夫はパーソナリティ障害*1とアルコール依存、未熟さと虐待性が合体した、私からするとこれ以上なく厄介な相手です。

 

DV加害者は誰が相手でも同じサイクルを繰り返す

パーソナリティ障害の治療を受けており、努力すれば障害は克服できるのかもしれません。ただ、DVについての専門的なアプローチはしないと断言していますから、DVは一生治らないでしょう。

DV加害者は、パートナーであれば誰かれ構わず同じように手を出します。最初は相手を過度に美化し、尊敬します。が、関係が深まると相手の欠点ばかりあげつらうようになります

夫とはもともと遠距離恋愛で、最初の半年ほどは私のことを過度に美化していたのかなと思います。そのうち、遠距離ながら精神的DVが始まりました。電話口で怒鳴る、恫喝する、一方的に電話を切って出ない。今思うと、対応が子供じみていました。

結婚するために上京し同居を始めると、目の前で怒鳴る、大きな音を出す、しまいに手が出ました。最初に暴力をふるわれたときは「終わった……」と思いました。人生が、です。今の私だったら、そんなんで諦めるなと思いますが。

 

加害者にとってパートナーはあなたじゃなくて全然いい

加害者は、相手は誰でもいいのだと思います。夫は酒に酔うと、私の代わりなんていくらでもいると言いました。これが本音なのでしょう。誰が相手でも、最初は美化して、次に卑下して、DVの泥沼にはまります。こういう加害者は敬して遠ざけるしかありません。

DV被害者が加害者のことを置き換え不可能で、自分にとってのかけがえのない人だと思うほど、加害者は被害者のことを思っていません。生活の中心にあるのは加害者自身であり、被害者はその奴隷か、所有物か。場合によっては自分に寄生するコバンザメ程度で、生殺与奪の権利は自分が握っていると思っているのでしょう。夫はそういうタイプでした。

 

殴られてケガしたら怒られる意味不明

殴ったり、蹴ったりした結果、被害者がケガをしたり、骨折したりしても、自分が悪いとは思いません。「なんでそうなるんだ!」と病院に行くレベルのケガをするたび、言われました。つまり、私の受け身が下手くそだから、あるいは私が夫を怒らせるからそうなるんだと言うのです。

手首の骨折が疑われたとき、すごく怒っていました。私が仕事ができなくなるかもしれないから。私を投げ飛ばしておいて、何を考えているんでしょうね。眼球を怪我したときもそうでした。

 

DV加害者は常習犯

暴力をふるう時、加害者はストレスをため込み、被害者を殴る口実を血眼になって探しています。そういうタイミングになると、被害者が何をやったところで暴力は避けられません。それでも加害者は、暴力に至ったのは被害者が悪いからだと言い募ります。相手をするだけ無駄な人たちです。

加害者は、付き合う、あるいは結婚するといった深い関係になるたびに繰り返しDVをします。多くの加害者は初犯ではなく、累犯です。夫は初婚がDV離婚で私と再婚したので、まさにそうです。前妻との離婚の責任は、前妻に押しつけていました(それを信じて結婚した自分も愚かですが)。

 

DV常習犯ほど恋愛の最初のうちは魅力的に見える

自分がDVの常習犯だと分かっているなら、恋愛や結婚はしないという発想になっても良さそうです。が、そうは思わないのですね。現に夫はもう次の相手を見つけたと、強がりでしょうが言っています。不倫すると、離婚する上で不利になるので、実際はないと思います。

でも、離婚が成立したら、間違いなく次のターゲットを探すでしょう。DV常習者ほど、恋愛が始まったばかりのころは魅力的に見えるという問題があります。バツ2だと再婚は難易度がありそうですが、恋愛関係や不倫なら、需要があるのでしょう。

 

DVはやり得。自衛しかない

日本にはDV加害者を更生させる社会的な仕組みがありません。DVの抑止すらできていません。人を侮辱し、長期にわたって暴力をふるい続けても、ほとんど罪に問われないので、DVはやり得です。DVで逮捕されるということがまず滅多にないですし、立件、起訴に至ることもまれ。有罪で服役するとしたら、被害者が死ぬか、よほどの障害を負ったときで、もはや手遅れです。

私にできることは、夫が次のターゲットを見つけ、虐待するのを指をくわえて見ていること。結局、ターゲットにされそうな側がDVについて知り、自衛するしかないのです。

DV被害者になりやすいタイプの女性がいると言われます。私自身は結構その俗に言われるタイプに当てはまりますが、そうでない人も見かけます。色んなタイプの人がターゲットにされ、精神的を病んでいます。被害者が精神的に落ち込めば、もとの性格がどうであれ抑圧できるので、加害者はDVを存分に楽しめます*2。決して他人事とは思わないでください。

 

↓ランキングに参加しています。押して頂けると日々の励みになります。

にほんブログ村 家族ブログ DV・家庭内モラハラへ
にほんブログ村

*1:

認知や感情、衝動コントロール、対人関係といった広い範囲のパーソナリティ機能の偏りから障害(問題)が生じるもの

*2:DV加害者は感情がコントロールできずに手を出すかのように装うのとは裏腹に、実際は沈着冷静です。怒りを爆発させているように見える瞬間すら、理性的に自分の声が隣の家に伝わらないかとか、どうしたら被害者の恐怖を増幅できるかと考えています。