DV被害の妻から伝えたい身近なDVの現実

DV被害の妻から伝えたい身近なDVの現実

配偶者からのDVを3人に一人の女性が経験しているとご存知ですか。DVは決して他人事ではありません。3年間DVを受けた体験から、被害者が自ら抜け出すことの難しさ、周囲の目の大切さを痛感しています。

永山則夫――家族という名の砂漠

岩木山 堀川惠子『永山則夫 封印された鑑定記録』 今日は一日、布団から出ずにこの本を読みふけっていました。布団から出なかったのは、パーソナリティ障害の夫との離婚話で精神的に参っていたのと、外気温の肌寒さに身体が慣れないからです。永山則夫(のり…

『教誨師』――死刑囚に生涯向き合い続けた宗教家の記録

近く処刑される運命にある死刑囚と対話を重ね、最後は死刑執行にも立ち合う教誨師(きょうかいし)。半世紀にわたって教誨師を務め、心身に不調をきたすほどの苦しみの末、僧侶がたどり着いた境地とは。「わしが死んでから世に出して下さいの」という約束に…

自分の行くべき方向ではなく、皆が行く方向をひたすら追い続けるような真似はしないこと(セネカ)

先日紹介したセネカ『生の短さについて』(岩波文庫)所収の「幸福な生について」から、人生についての言葉を引用します。 この旅にあっては、最もよく踏みならされ、最も往来の激しい道こそ、最も人を欺く道なのである。だから、何よりも肝要とすべきは、羊…

セネカ『生の短さについて 他二篇』自分のために生きるという当たり前のようで難しいことについて

このアカツメクサは、写真に収めた1日か2日後、草刈り機で刈り飛ばされてしまいました。刈りあとを見て、命のはかなさを感じました。でもこの花はきっと、自分の運命を呪ったりはしないと思うのです。 哲学は食わず嫌いでした。横文字の概念を聞くだけで、苦…

『他人を攻撃せずにはいられない人』を読む

精神科医の片田珠美『他人を攻撃せずにはいられない人』PHP新書を読みました。もっと早く読めばよかった……。身の回りに一緒にいるとなぜか不快感が増す、息苦しさを感じさせる人がいたら、ぜひ手に取ってほしいです。 2年の間に28刷(!) 罪悪感を抱かせる…

江國香織がDVを描く『思いわずらうことなく愉しく生きよ』

家訓が「思いわずらうことなく愉しく生きよ」である犬山家の3姉妹が主人公。長女の麻子は結婚後7年間、夫の暴力に苦しんできたという設定です。それぞれが恋愛や結婚に思い悩みながらも、より良い明日を求めて歩むさまが描かれます。 思いわずらうことなく愉…

リアル貧困女子『証言 貧困女子』を読む

中村淳彦監修『証言 貧困女子――助けて!と言えない39人の悲しき理由』を読みました。私はもともと正社員で、結婚を機に退職して契約社員になり、それもやめてフリーランスになりました。夫からのDVに耐えかね、家を出ています。読後感をつづります。 作り物…

島尾敏雄『死の棘』の毒に当たる

2017年に公開された満島ひかり主演映画『海辺の生と死』。これは島尾敏雄と後に妻となるミホの出会いと恋に落ちるさまを描いたもの。原作は、ミホが記した同名の小説です。一方、夫の敏雄は、激しい愛で結ばれて夫婦となった二人の成れの果てを『死の棘』に…

DV被害に遭ってから知る井上ひさしのもう一つの顔

西舘好子『表裏井上ひさし協奏曲』を読みました。私は井上ひさしのファンです。小さい頃は「ひょっこりひょうたん島」を見るのが楽しみで、中学生になると『青葉繁れる』『モッキンポット師の後始末』『ブンとフン』『吉里吉里人』と読み進めていきました。…