自分の行くべき方向ではなく、皆が行く方向をひたすら追い続けるような真似はしないこと(セネカ)
先日紹介したセネカ『生の短さについて』(岩波文庫)所収の「幸福な生について」から、人生についての言葉を引用します。
この旅にあっては、最もよく踏みならされ、最も往来の激しい道こそ、最も人を欺く道なのである。だから、何よりも肝要とすべきは、羊同然に、前を行く群れに付き従い、自分の行くべき方向ではなく、皆が行く方向をひたすら追い続けるような真似はしないことである。さらに、多数の者が同意して受け入れたものこそ最善のものと考えて、事をなすに世評に頼ること、また、われわれには善きものとして通用している先例が数多くあるが、理性を判断基準にするのではなく、人と同じであることを旨として生きることほど、大きな害悪の渦中にわれわれを巻き込むものはないのである。次から次へと折り重なるようにして倒れ、累々たる人の山が築かれるのは、そのせいなのだ。
過去を振り返ると、30代を前に私は夫と出会い、そろそろそういうタイミングだなと思ったこともあり、結婚しました。夫が「なんとなく成り行きで結婚した」と言うのを聞いて、私は怒りました。でも、自分自身もそういう部分はあったと思います。
結婚は理性でするものではありません。ただ、もうすこし理性を働かせてもよかったと思います。
……というのは、私の結婚失敗談です。セネカの言葉はもっと深くて、人生全般にいえること。この言葉を忘れないで生きていきたいです。
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