DV被害の妻から伝えたい身近なDVの現実

DV被害の妻から伝えたい身近なDVの現実

配偶者からのDVを3人に一人の女性が経験しているとご存知ですか。DVは決して他人事ではありません。3年間DVを受けた体験から、被害者が自ら抜け出すことの難しさ、周囲の目の大切さを痛感しています。

DV被害者は加害者より強い

DV被害者は加害者より強い

「ん?」と思われるかもしれません。DV加害者の方が強いに決まっているじゃないかと。加害者は暴力で被害者を支配します。それは弱さの裏返しなのです。

 

夫は暴力、暴言、屁理屈で自分の弱さを隠す

私は腕力で夫にかないません。カボチャも2分の1サイズだと、切るのに相当苦労するぐらい力はないです。夫は私より約30センチ身長が高い偉丈夫。中年太り気味ながら、昔筋トレに凝ったらしく、腕力は無駄にあります。同居した3年間、私は見事に投げ飛ばされ、壁にぶつけられ、殴られ、足蹴にされました。

腕力でいうと、夫は圧倒的に強いです。口に関しても、自己弁護のためにあらゆる屁理屈を瞬時に組み立てられるので、強いと言えます。でも、人間としては恐ろしく弱いのだと思います。

 

被害者を精神的に追い込んでやっと上に立てる

まずストレス耐性がありません。自分のやりたいことができない、自分に快適な環境がちょっとでも崩れるとなると、瞬間湯沸かし器のごとく怒りを沸騰させます。他人から大事にされないと感じると、自尊心が尋常でなく傷つきます。

自分が傷つく、不快な気持ちになるということを避けるために、被害者を暴力や暴言で追い込みます。被害者が自分の嫌なことをしないようにコントロールします。一見、力の誇示のようですが、本当に強い人はそんなことをする必要はありません。

被害者に気を遣ってもらって、あれこれ配慮してもらってようやく、普通の生活が送れるのです。自分中心に物事を考えてもらわないと、共同生活が営めないくらいダメな人間なのです。

加害者は、被害者をうつ病に近い状態、あるいはうつ病そのものに追い込むことでようやく、被害者より上に立てるのだと思います。その追い込み方は、相手の愛情に付け入った、卑怯なやり方です。正攻法だと、自分に勝ち目がないのがよく分かっているから、無意識にDVを選ぶのだと思います。

 

加害者には被害者になる強さはない

夫と同居した3年間を振り返ると、「自分はよく耐えたな」と感じます。いい意味でも、悪い意味でも。

これはあり得ない想像ですが、もし被害者と加害者が逆転したとしたら、つまり夫が被害者になったとしたら、間違いなく耐えられなかったでしょう。夫に、被害者になる精神的余裕は、ないです。

暴力をふるい続ける相手に「育った環境に問題があっただけで、本当はそんな人間じゃないはずだ。変わってくれるはずだ」と希望を託し続ける。これはある意味、余裕があるからできることです(全然おすすめしませんが)。

 

精神的に強いからDVのターゲットになる

被害者が自省的で、自分のストレスを自分で解決できるだけの強さを持った人間だからこそ、加害者はDVの対象として選ぶのだと思います。加害者と同じようなもろい人間を選んでしまったら、家庭はすぐめちゃくちゃになるでしょうから。

夫がDV離婚した前妻と、私には共通点があるようです。直接会ったことはなく、人からの伝聞で、前妻はしっかりした方のようです。私は会社を辞めてからは稼ぎが悪く、将来のことをきちんと考えるようなしっかりさはありません。ただ、自分の精神衛生を何とかギリギリで保つ術を知っているという意味では、しっかりしています。

夫から家を追い出され、リュック一つでカプセルホテルや木賃宿を泊まり歩く生活をかなり続けました。その間に希死念慮の強い人や、ブラック企業で病んだ人の相談にも乗っていました。ある程度のタフさは、備えているようです。だからこそ、夫は私を選んだのでしょう。DVを苦にして自殺するような相手だと、困りますから。

 

被害者は強いけど、DVからは逃げよう

とはいえ、もとがいくら強くても、精神を病むと何をするか分からない怖さはあって、私自身もそれを感じました。被害者は余裕がある分、加害者のわがままに付き合ってしまいがちです。それでは自分を追い込み、墓穴を掘ることになります。私は冗談ではなく、墓穴を掘っていました。自殺がかなり現実的な選択肢として目の前にあった時期があります。

被害者は強いです。加害者がいなくても生きていけるだけの強さを持っています。

DV加害者は周りがどんなに素晴らしくても、自分の周りを蟻地獄みたいな苦しみの世界に変えてしまいます。大切なのは、あなたがあなたらしく生きること、です。

 

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