DV被害の妻から伝えたい身近なDVの現実

DV被害の妻から伝えたい身近なDVの現実

配偶者からのDVを3人に一人の女性が経験しているとご存知ですか。DVは決して他人事ではありません。3年間DVを受けた体験から、被害者が自ら抜け出すことの難しさ、周囲の目の大切さを痛感しています。

DV加害者更生プログラムを義務化して ―第二、第三の被害者を生まないために

DV加害者更生プログラムを義務化して

DV加害者は、恋人や妻が代わっても暴力をふるいます。1人の加害者が何人もの女性を傷つけ続けるのです。私の夫もそう。前妻ともDVが原因で離婚しました。モテたと自称しており、本当だとすると、私は一体何人目の被害者になるのでしょうか。日本には加害者の更生を促す法制度はありません。逮捕されても、妻が被害届を取り下げて釈放されたり、罰金や刑罰を科せられたりして、おしまいです。加害者更生プログラムはアメリカをはじめ、いろいろな国で採用されています。加害者の更生がないDV対策は、片翼飛行のようなものではないでしょうか。

 

2003年に検討されたまま棚ざらし

DV加害者更生プログラムは日本政府も過去に検討したそうです。2003年に内閣府が調査をまとめています。

www.gender.go.jp

この調査によると、イギリス、ドイツ、韓国、台湾、アメリカ(カリフォルニア州)などですでに加害者の更生を促す制度が整備済みです。裁判所がそうした更生のしくみを使うよう命令したり、起訴猶予にする場合に加害者に更生のための行動を課したり、国によってさまざまです。

そして、日本はというと、更生を促すしくみがありません。今もないままです。民間の団体がそれぞれに加害者更生プログラムを実施していて、国としては何もしていないのです。

03年の調査のページ下部に「今後の展望と課題」がまとめてあります。実のところ「まとめてある」と言えるレベルのまとめになっておらず、被害者である私は、読んで怒りを感じます。

刑事罰だけで更生するわけがない

まず最初に、配偶者からの暴力の加害者更生のために刑罰以外の特別の働きかけを行う必要があるか否かについて検討することが必要である。

DVの加害者更生に刑罰以外の働きかけが必要ないと言う専門家が、果たしているのでしょうか。

DVは罰金を納めたり、刑に服したりして治るものではありません。考え方の問題なのです。自分の問題に加害者が気付き、更生する努力をし、それを後押しするようなプログラムがあって初めて、更生し得るのだと思います

検討している間に、私は成人し結婚しDV被害に遭い離婚します

以下、我が国において、配偶者からの暴力の加害者更生に関する刑罰以外の特別の働きかけを制度として導入することを考える場合に、検討を行わなければならない点について整理した。

とあって、検討事項が並びます。

あの、今2020年ですけど、今も検討中なのですか。03年に高校生だった私は30代になって、もう夫から3年DVを受けてしまっているんですが。それで、私はもうすぐ離婚しますけど、夫は更生する義務もないんですよ。離婚が成立したら、夫はきっとまた次の犠牲者を探し求めるでしょう。また女性が血祭りにあげられます。なぜ被害者の私が、次の被害者のことを心配しなければならないのですか。

内閣府は、どういうスピード感で検討をされているのでしょうか。怒りで胸がいっぱいです。