DVから逃げたらやってはいけないこと四つ
勇気を振り絞って逃げたDV被害者が、また加害者の影響下に置かれないために、やってはいけないことをまとめます。私自身、やってしまって後悔したことが少なくありません。被害者は普通より判断力が落ちていたりするので、もし周囲に加害者から逃げた被害者がいたら、気遣ってあげてください。
加害者に連絡を取り続ける
加害者からの連絡はブロックするのがいいと思います。「思います」というのは、事情によってはそうもいかないからです。
私は事情があって、夫からのメールだけは受けなければいけません。メールだけでも、精神面に十分すぎる破壊力があります。ひどいメールが来ると、立ち直るのに半日、ひどいと一日かかります。コロナウイルスの影響で、頭痛をみてもらっている病院にもしばらく行けていないので、心因性の頭痛は本当につらいです。こんな目には、遭わないのが一番。被害者の方には、加害者と連絡をとらなくてもいい状態をできるだけ早く作ってほしいです。
理想的なのは、できるだけ早く弁護士を立て、間に入ってもらうことで、加害者からの直接の連絡が来ないようにすること。お金のかかることではありますが、法テラスのように初期費用を肩代わりしてもらえる制度もあります。
DVが理由の離婚は、調停に持ち込む方がよいです。とにかく別れたいと、離婚届を勢いで出してしまうと、別れた後に財産分与*1をどうするとか、不動産の所有権がどちらにあるとかでもめかねません。加害者と一対一の話し合いをしたのでは、相手の方が優位な結論しか出ません。多少お金がかかっても、手間であっても調停をした方がいいと考えます。
調停は必ずしも弁護士は必要ではありません。また、DVが理由の離婚調停は、加害者と被害者が直接会うことがないよう配慮してもらえます。まずは弁護士会の無料相談などを利用し、分からないことを聞いてみましょう。私は相談に乗って頂いて、ぐちゃぐちゃだった頭の中がかなり整理されました。
場所が特定できる情報や写真をSNSにアップする
せっかく逃げたのに、居場所を特定されるような行動は避けましょう。
郵便を新居宛てに転送する
私は郵便の転送をかけて後悔しました。転送は、そもそもよほど重要なものが届く予定がない限り、しない方がいいと思います。転送をかけた時点で、被害者が拠点を定めたらしいと加害者に分かってしまうからです。
加害者は、被害者をどう陥れるか、どう追いつめて戻って来させるか、そんなことを日夜考えて過ごしているかもしれません。被害者の今が把握できることは、しないのが一番です。
これは警察の方に教えて頂いたことですが、転送をかける場合は、新居宛てはやめ、実家や職場など加害者がすでに知っている住所宛てにしましょう。教えて頂いてから、私はあわてて転送先を変更しました。加害者は、どういう方法で居場所を特定しようとするか想像がつきません。加害者から被害者につながるルートは、断つ必要があります。
通販の送り先の住所を変えないで注文する
私はやってしまいました。注文するとき、元の住所になっていないかずっと気を付けてきましたが、慣れたころに、一つだけ変えるのをすっかり忘れて注文してしまいました。
夫は私に届いた物はなぜか知りませんが、開封します。同居していたとき、DV関連の本が買いたくても、Amazonの袋を夫がかなりの確率で開封するので、怖くて買えず、図書館で借りてこっそり読んでいました。そんなくらいなので、通販の段ボールを開けたうえで、からかいのメールをよこしたんです。
支出を切り詰めている中で買ったものが夫のもとに届くなんて最低ですし、メールまで届いて、精神が崩壊の瀬戸際です。通販によっては、住所が明示されないまま決済に進むものもあるので、よくよく注意しましょう。
やってはいけないことを、自分自身の失敗から紹介しました。
DVからまだ逃げられていない被害者の方にして頂きたいことは、ポリスチャンネルに分かりやすくまとめてあります。
*1:財産分与
結婚後に築いた財産は夫婦二人のものだと見なされます。ですから、夫が稼ぎ頭であっても、結婚後に増えた財産はその半分をもらう権利があります。ちゃんと主張して、もらうべきです。