DV被害の妻から伝えたい身近なDVの現実

DV被害の妻から伝えたい身近なDVの現実

配偶者からのDVを3人に一人の女性が経験しているとご存知ですか。DVは決して他人事ではありません。3年間DVを受けた体験から、被害者が自ら抜け出すことの難しさ、周囲の目の大切さを痛感しています。

DV加害者との共生をすすめない五つの理由

DV加害者との共生をすすめない五つの理由

DV加害者と別れないという選択をする被害者は、少なくありません。現状維持を望むから、世間体、経済的依存、子どもが可哀そう、別れたくないなど、理由はさまざまです。日本のDV被害者支援は共生、共存をすすめず、別居、離婚が前提になります。これには、それなりの理由もあるのです。共生が被害者に与える悪影響をまとめます。

 

1. 加害者は被害者と一緒にいる限り楽なので、自分を変える理由がない

DVをする理由は楽だからです。加害者は怒ったり、脅したり、殴る蹴るの暴力をふるったりすることで、パートナーを思い通りに動かします。こんなひどいことをする理由が「楽だから」というのは、被害者にとっては受け入れがたい残酷な話です。が、事実です。

私の夫は、別居前も、別居後も「私と別れたくない」と言っていました。DV被害者支援のプロの方に言わせると、これは当然なのだそうです。なぜなら、私は夫のわがままに耐え、何があっても夫と別れたくないと思い、夫のやりたい放題を受け入れる”優しい妻”だから。「夫からしたら、変わる理由がないよね」と言われました。

最近、夫が「別れてもいいと思っている」と言うようになりました。なぜか。私が夫に色々はっきり言うようになった、反抗するようになったからです。夫は以前のように楽ができなくなりました。自己愛性パーソナリティ障害*1の診断がついていて、人格に相当な欠陥があると明らかになったこともあって、変に偉そうにしようとすると、私からそれはおかしいと指摘されます。

夫は「最近、いつも怒る」「イライラしている」と私に文句を言います。これは、そのまま夫にも言えることです。感情の浮き沈みの少なさにかけては、私は定評があります。夫以外の人に怒ることは、まずありません。夫がさんざん私に理不尽な怒りをぶちまけてきたのが、自分の身に返ってきているだけなのに、受け入れられないようです。もう私が相手では以前のような楽ができないから、離婚に同意したい、離婚をするように煽りたいのだと感じます。私の相手をするのが、あからさまに面倒くさそうです。

 

2. 加害者は加害事実をろくに覚えていないので、やられ損

被害者が加害者に「あのとき、ああしたよね」と確認することは、まずありません。特に暴力について加害者を問い詰めるようなことをしたら、殴られるか張り倒されるか……とにかくひどい目に遭うので聞けるわけないのです。

私は別居後、夫に最初に手を出したのがいつか覚えているかと聞きました。なんと、覚えていなかったのです。最初の一回に限らず、夫は加害の事実をろくに覚えていないことが判明しました。暴力すら覚えていないので、暴言になると、覚えているのは被害者だけと思った方がよさそうです。

私は夫の頭の構造がさっぱり分かりません。分からないなりに想像するに、暴言は夫にとっては暴言ではなく、妻を諭す言葉とか、励ましの言葉とかであり、記憶するに値しない言葉として処理されているのではないでしょうか。DVに耐えるのは、やられ損です。やった当人は覚えていません。あなたがため込んだ怒りと憤りは、報われることはないのです。

 

3. 最悪死に至る

被害者はこのことを深刻に考えるべきです。「加害者は手加減するはずだ」というのは、希望的観測です。殺人犯はたいてい「殺すつもりはなかった」と言うそうです。被害者が思いつめて加害者を手にかけることも。

命を懸けて同居すべき相手か、落ち着いて考えてください

 

4. 医療費の負担が大きい

DVだと、健康保険が使えない病院があります。治療費が自己負担になると、かなりの負担です。

 

5.本当に大切な人との関係が壊れる

加害者は加害の事実を外に漏らさないため、また、被害者に反抗させないため、被害者の人とのつながりを絶ちます。夫は私に厳しい門限を課し、友人に会う日は「ゆっくりしておいで」と全然そう望んでいないのがビンビン伝わってくる声色で言い、友人と外食や飲み会をしようものなら「どこにそんな金があるんだ」と吐き捨てました。私は人づきあいが減り、もともと会っていた友人とも会わなくなりました。

が、夫に言わせると「友人がいないのはお前の性格の問題」なのだそうです。被害者を巧妙に孤立に追い込みながら、自分がそう画策したという自覚は全くないのです。恐るべし、DV加害者。夫は前妻ともDV離婚で、たぶん、呼吸をするようにDVができるのでしょう。自覚がないというのが、救いがないです。

被害者に伝えたいのは、あなたの大切な人は加害者ではないということ。加害者と一緒にいると、本当に大切な人が遠くに行ってしまいます。加害者と共存しようとすると、あなたを大切に思う人は、なぜあなたが自分を傷つける選択をするのか、理解できないでしょう。あなたという人に見切りをつけるかもしれません。

加害者と一緒にいることは、あなたの価値を下げ続けます。DV被害に遭っている可哀そうな人から、DVをされても離れない自業自得の人へと周りからの評価が変わるのは、そう時間はかかりません。自分自身の経験から、そう感じます。

 

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*1:

精神疾患の一種で、「傲慢・尊大な態度を見せ自己評価に強くこだわる」のがこの障害とされます。