DV被害の妻から伝えたい身近なDVの現実

DV被害の妻から伝えたい身近なDVの現実

配偶者からのDVを3人に一人の女性が経験しているとご存知ですか。DVは決して他人事ではありません。3年間DVを受けた体験から、被害者が自ら抜け出すことの難しさ、周囲の目の大切さを痛感しています。

昭恵夫人の大分旅行騒ぎにDV被害者が感じること

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叩かれている安倍昭恵夫人の大分旅行について、DV被害者として感じることがあり、つづります。旅行の是非を論じるものではありません。

夫を気にしない身軽さがうらやましい

安倍首相がコロナウイルスへの警戒を呼び掛けた矢先に、昭恵夫人が大分に旅行していたと報道され、批判が相次いでいます。

私はこのニュースを見たとき、ちょっと自分の理解を超えていると思うと同時に、昭恵夫人をうらやましく感じました。そんな気持ちになったことに、自分でも驚きました。

昭恵夫人は「こういうことをしたら、夫がどう思うか」という、私がずっと囚われ続けてきた思考回路とは、無縁なんだなと思ったんです。それに、夫から行動を気にされていない。仮に気にされたとしても、少なくとも管理されていない。純粋にうらやましく感じました。

夫を優先しDVに遭い家を追われた

やりたいことをやる、人生を自分の思いのままに楽しむ。夫と同居していた時、私にはできなかったことです。私は夫のやりたいことを最優先にしました。夫は私の予定を把握しないと気が済まず、たまに家を空けると、かなりの頻度で携帯に電話してきます。自分はやりたいけれど、夫が嫌がりそうなことは、一考の余地もなく切り捨てました。

安倍首相は、家系からすると保守本流で、かなり右に分類されるはずです。男尊女卑であるはずのグループのリーダーです。でも昭恵夫人の行動を見ていると、男尊女卑に関しては、そんなようすは微塵もない。

私の夫は天皇制がどうとか議論するような人で、思想的には左の方だと思います。首相をアベと呼び捨てにするタイプで、右がかった主張は気持ち悪いの一言で切って捨てていました。でも、ルーツの半分が男尊女卑が厳しい地域ということもあってか、妻に暴力をふるうことに全く抵抗はありません。前妻とはDVで離婚、私とも別居中です。

首相は良い夫なのでは?

安倍首相が政治家としてどうというのはさておき、妻を放任している点で、夫としては良い人なのではないかと、かなり本気で思います(普段の首相夫妻の動静は全く追っていないので、的外れなことを言っていたらご容赦ください)。

昭恵夫人の行動に世間が目くじらを立てるのは、今回は仕方がない気もします。でも、男性の中には、昭恵夫人みたいな妻が世の中に増えたら困るから、目くじら立てている人も多いんじゃないでしょうか。

夫に影のように付き従うという良妻のイメージとはかけ離れているから、昭恵夫人は必要以上に男性誌に叩かれる気もするのです。

私自身は、無意識に良妻を目指して行動してしまいました。そして、夫から3年間暴力をふるわれ、家を叩き出されて今に至ります。だから、奔放に生きている昭恵夫人を見ると、うらやましく感じます。

妻である以前に自由意思を持った人間

妻である以前に、1人の自由意思を持った人間だということを、昭恵夫人が体現しているようにも感じるのです。

そして、保守本流の家にそういう妻がいることは、革命的なことじゃないかとすら思うのです。

なんだか、言いたいことが、こんがらがった糸のようになってしまいました。DV被害に遭う前の私だったら、こんなふうには思いもしなかったはずです。でも、今はこう思う。それが伝えたくて、文章にしました。最後までお読み頂き、ありがとうございます。