DV被害の妻から伝えたい身近なDVの現実

DV被害の妻から伝えたい身近なDVの現実

配偶者からのDVを3人に一人の女性が経験しているとご存知ですか。DVは決して他人事ではありません。3年間DVを受けた体験から、被害者が自ら抜け出すことの難しさ、周囲の目の大切さを痛感しています。

パーソナリティ障害の夫いわく「自分が死んだら世界が終わる」

パーソナリティ障害の夫いわく「自分が死んだら世界が終わる」


こう思っているのは普通じゃないのかと、夫に聞かれました。パーソナリティ障害を解説した本に、この障害の人に特徴的な思考として、こう書いてあったそうです。いや、思ったことない。少なくとも、私の家族はみんなそんなこと思っていない。思ったとしても、それは人の死を体験し、理解する前の、幼いころのことではないですか。夫は私より10歳上の40代。それで、こう思っているというのです。

 

夫は世界の中心らしい

パーソナリティ障害と診断された夫は、「自分が死んだら世界が終わる」と思うことがあるそうです。「終わるわけない」と言ったら、「いや、それはそうだけど、そう思う時もある」と。

どれだけ世界の中心なんでしょうか。全知全能の神でもあるまいし......。

でも夫の過去の行動を振り返ると、そんな感じはあります。包丁を取り出して自分に突き立てると脅したことがありました。あれは、こちらが心配するのを織り込み済みでもあったでしょうが。逆に私を刺すと脅したこともあります。はっきり言って、刺した後のことまで考えていません。

 

離婚したらゴタゴタは終わりだと信じている

「離婚したらすべて終わりだ」ともよく言います。離婚した時点で、私と夫の間のことがきれいさっぱり水に流せると本気で思っているようです。やはりDVで別れた前妻とは、そうしたつもりのようですね。相手に負わせた傷とか、二度と結婚できないほどの苦しみとか、自分に原因がないのにバツイチになる哀しさとか、娘をそうされた親の苦悩とか……全く気にならないようです。

目上の人とか仕事先が何を考えて、何を求めているかには凄まじく敏感なのですが。自分のせいで辛酸をなめる人には、一切関心がないらしいのです。

自分の認識が世界のすべて、だと思っているのかもしれません。この制御不能な“破壊神”に、これまで何人の人がまき込まれ、踏みつぶされたか。

 

パーソナリティ障害を量産する社会でいいのか

そして、こういうパーソナリティ障害を持つ人間を量産する社会というのは、恐ろしいとつくづく思います(パーソナリティ障害は核家族化で増えているとされます)。被害者になって初めて気づくのではなく、もっと社会として向き合うべき問題ではないでしょうか。

 

※夫が暴力を振るうのは、パーソナリティ障害のせいではありません。ただ、障害のために人が感じることに無関心になったり、普通だとしないような手段で人を服従させたいという欲求が生まれたりするようです。それを抑えられないのは、夫自信の問題です。

DVをしてもいい、女は従属したがるものだ、夫婦間のことに他人は関われない。こういった誤ったメッセージを社会から学んだのも、DVへの罪悪感のなさを生んだ原因でしょう。

かなり自己中心的で他人ばかり責めるDV加害者であっても、自分がやっていることは社会から絶対に許容されない、責任転嫁のしようがないと思うくらい、DVに厳しい社会になってほしいです。いまの日本は、加害者が責任逃れできるような、女性の卑下や暴力の肯定の情報が多すぎます。「愛しているから許される」は、間違いです。