DV被害の妻から伝えたい身近なDVの現実

DV被害の妻から伝えたい身近なDVの現実

配偶者からのDVを3人に一人の女性が経験しているとご存知ですか。DVは決して他人事ではありません。3年間DVを受けた体験から、被害者が自ら抜け出すことの難しさ、周囲の目の大切さを痛感しています。

夫にパーソナリティ障害の診断が出ていた

夫にパーソナリティ障害の診断が出ていた


DV加害者である夫にパーソナリティ障害の診断が出たそうです。驚きはありません。まだ一回診療に行ったにすぎず、どのタイプかまでは言われていないとのこと。離婚のことやそれ以外のことで、夫とはメールのやり取りだけしています。どうでもいいようなメールは盛んに送ってくるのに、診療に行ったことはずっと言わず、私から「あなたは何もしていないんだから離婚するに決まっているでしょ」と言ったら、「診断に行った」と。いや、ほかのメールはいらないから、それを先に伝えるべきでしょって思うのですけど。

 

「本に俺のことが書いてある」と今さら言う夫

夫いわく、「パーソナリティ障害の本を読んだら、俺のことが書いてあるみたいだ」。専門書で夫の思考回路が見事に再現してあって、驚いたらしいですね。それ、驚くようなことなのかと思うのですが。自分のことを類型化できないくらい特別な人格だとでも、思っていたのでしょうか。

もう一つ言えば、DV加害者の本を読めば、夫はまた「俺の心の内が書いてある」と言うはずです。ただ、こちらはきっと読まないので、私の妄想どまりです。

 

DV・虐待加害者の実体を知る

DV・虐待加害者の実体を知る

 

 

DVの治療に行くべきだと言い続けて、もう半年以上がたちました。それなのに、DVの方は全く手つかずで、1カ月前に指摘されたパーソナリティ障害の方だけ診てもらう。パーソナリティ障害は、治さないと社会生活上も支障があると認識したからでしょう。DVは、どうせ離婚されるから、治す必要はないということ。そういう、自分に都合よく行動するところも、パーソナリティ障害らしいと感じます。

 

2年以上前「障害がある」と言って激怒された

私が夫にパーソナリティ障害ではないかと言ったのは、今から一ヶ月ほど前です。それよりもだいぶ前に「治らない病を治す」というブログを拝見して「うわ、すごい当てはまってる」と、雷に打たれた気持ちになりました。ただ、離婚すると決めていたので、パーソナリティ障害の書籍を買う気にはならず、ネットで見かけた情報を読むのにとどめていました。

realptg.com

それからずいぶんたって、離婚の話し合いの場で「あなたはこれだと思う」と伝えました。もともと言うつもりはなく、流れで言いました。

その実、私は2年以上前に夫に対して「障害がある」と断言したことがあります。当時はパーソナリティ障害はもちろん知らず、ただ、夫の性格と感情の波、社会生活上のトラブルが尋常でないので、発達障害を疑いました。専門家でもないのに言い切った私も私です。ただ、夫は素人目に見ても、まともではないのです。

で、夫は烈火のごとく怒りました。「俺のことをそんなふうに見ていたのか」と。それ以来、そういう指摘はやめました。

 

そもそも家族が気付かないとおかしい

夫の障害に私が気付くのは、おかしいと思うのです。尋常でないのはあまりに明らかで、義両親と夫側の親類が気付かないというのは、あり得ません。それなのに「ものすごく頑固」という言葉で、済ませていたよう。家族としてきちんと向き合っていなかったのだと思います。

夫は東京の核家族の長男で、ひきこもりの兄弟がいます。父親は有名企業のエリート、母親は大変な美人で、夫自身もモテたと言っています。家は社宅でした。社宅という似たような年齢、似たような収入の均質な家族が集まる場所で、かなり偏った人格を形成したのではないでしょうか。私は社宅にご縁がなく、想像に過ぎませんが。

 

パーソナリティ障害は核家族化で増えた

パーソナリティ障害は、核家族の方が起きやすいというか、核家族化の影響で増えているそうです。

知り合いに、「家におじいちゃん、おばあちゃんがいたかって、ちょっと話すと分かる」と言う人がいます。そう聞いた時は「へえ」と思った程度でした。今になって思うと、いろんな価値観の人にもまれて育っているのと、孤立した家庭で育つのとは、人との接し方に差が出てしまうくらい違うということなのかなと感じます。

私の家は田舎で、祖母と親がケンカもしながら同居していました。ちなみに、夫がこれまで付き合った相手は、かなりの確率で田舎の出身らしいです。自分が相当な問題を抱えているので、どういう人間になら許容してもらえるか、よく分かっていたのでしょうね。それでも、3カ月以上付き合ってもらえた人がいないらしいです。

 

診療に行っても自分の非を隠す

パーソナリティ障害の診療に行ったといっても、自分がDVをしたこととか、人に暴力をふるったことは伝えていないそうです。治療に行ってまで自己愛を発揮して、どうするのでしょう(夫は自分で自己愛性パーソナリティ障害を疑っているそうで、私もそうだと思います)。

たとえば私が自傷行為の治療に行ったとしたら、過去にどんなことをしたか、言いにくいことも含めて言うはずです。隠し事があっては、治療にならないと思うからです。でも、夫はそうではないんですね。自分の外面は、治療者に対しても良く保ちたいというのが、理解不能です。

40年以上かけて築き上げた人格が、短期間でなんとかなるはずもありません。粛々と離婚手続きを進めるしかなさそうです。