しなくて後悔していること―加害者の前のパートナーに会う―DVは防げる(3)
私が、しなかったのをとても後悔していること。それは、夫の前妻に会うということです。結婚した後、前妻が誰か分かったので、もし連絡をとろうとすれば、とれたのです。共通の知り合いもいました。でも、しませんでした。夫は仕事を失った困難なときに、前妻に見捨てられたと言っており、それを鵜呑みにしてしまったのです。DV加害者は、過去にも暴力をふるっている場合がとても多い。ですから、以前加害者が付き合っていた人に会い、話を聞くことは、あなたを救うかもしれません。
加害者は前のパートナーを悪く言う
夫は、前妻のことを悪く言っていました。見捨てられた、とても口では言えないような許しがたいことをされた、云々。同情を買おうとしたのでしょうね。そもそも、夫の認識自体が、ねじれてしまっている可能性もあります。
私はずっとそう吹き込まれて、本気にしてしまいました。実際は、前妻は暴力をふるわれ、耐えかねて家を出たわけです。別居の直前に問いただしたら、夫はそうあっさり認めました。前妻がしたという許しがたいことが何なのか知りませんが、警察を呼んだとか、そんな程度ではないかと思います。
加害者と付き合い始めたばかりの女性は加害者の前のパートナーを憎悪する
アメリカ人カウンセラーのランディ・バンクロフトによると、DV加害者と付き合い始めたばかりの女性が、加害者の前のパートナーをひどく言うのは、よくあることだそうです。場合によっては、加害者以上にひどく激しい口調で、会ったこともない人のことをののしるのだそう。加害者から前のパートナーがいかにひどかったか吹聴され、真に受け、自分がこの人を愛してあげなければと思うからです。ただ、残念ながらそう遠くない将来、自分が同じ目に遭うわけです。
私がまさにそうでした。浅はかにも加害者の言うことを信じ込み、自分が将来味わうことになる辛酸をなめ尽くした人を、ひどい人だと決めつけました。まして、話を聞こうとは思いもしませんでした。
加害者の前のパートナーにできるだけ早く会う
ランディ・バンクロフトは、相手の前のパートナーにできるだけ早く会うことをすすめています。自分のパートナーから威圧感や、怒りの抑制がきかない感じを受けたら、ましてDVを受けていたら、できるだけ策を講じて、会う努力をしてください。
加害者に「お前のせいだ」「お前が悪い」と言われ、自責の念にかられている被害者は多いはずです。前のパートナーに会えば、悪いのは被害者ではない、加害者は誰に対しても、そういう態度に出ると分かります。
私は、夫の前妻に会わなかったことをずっと後悔し続けるでしょう。こんな思いは、してほしくないのです。
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