DV被害の妻から伝えたい身近なDVの現実

DV被害の妻から伝えたい身近なDVの現実

配偶者からのDVを3人に一人の女性が経験しているとご存知ですか。DVは決して他人事ではありません。3年間DVを受けた体験から、被害者が自ら抜け出すことの難しさ、周囲の目の大切さを痛感しています。

DV被害妻がこのままだとまずいと悟った瞬間*数十年にわたるDVの衝撃

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夫のDVに耐えかね、家を飛び出してからも、夫が更生してくれるんじゃないかと期待をしていたんです。夫のせいで病院のたいがいの診療科にかかり、自傷行為までするようになったのに。私は何を考えていたんでしょうね。今思い出すと、本当に愚かでした。夫は過去にDV離婚を経験していて、私とまた同じことになっています。普通に考えたら、期待のしようもない、どうしようもない人間です。そんな人間に期待し、できれば一緒にいたいと思っていた私が、目を覚ました瞬間。それは、あるラジオ番組を聴いていたときでした。

 何十年もDVに耐えた女性からの相談に粟立つ

ふだんラジオを聴く習慣はありません。その時はちょうど月末で、通信料がすでに結構ギリギリ。でも、独りぼっちなので気を紛らわせたい。ということで、ラジオが聴けるアプリradikoで番組を聞いていました。

番組自体はほんわかした雰囲気の楽しいものだったんです。その番組の合間にあった、短い法律相談コーナーにさしかかったところで、私は固まってしまいました。

相談者はアラカンの女性。夫から長年DV被害に遭ってきたと言います。何十年も耐えたけれど、夫は一向に変わらない。退職金を家に入れず、好きなように使っている。娘がいるけれど、母親である自分のことを全く尊敬しておらず、実家暮らしなのにお金を入れてくれない。

私は息をつめて聴いていました。とても他人事とは思えない。将来の自分を見ている、いや聴いている気がしました。

この女性は、せっかく弁護士に電話がつながっているのに、夫の愚痴を滔々と述べ立てます。そんなことは友達にでも聞いてもらえばいいことです。身元の確かな弁護士に話を聞いてもらえるんだから、法律について質問すべきなのです。でも、止まらない。

司会者に促されてやっと「別れたい。慰謝料はいくらもらえるか」と尋ねていたと記憶しています。でも、弁護士からの返事には上の空。

夫への憎悪を糧に生きる怖さ

夫を憎んでいるのが、言葉の端々から伝わってきました。なんで自分がこんな目に遭わないといけないのか、あんなやつはろくでなしだ。こう思い続けて数十年、夫婦生活を続けてきたようでした。気持ちはよくわかります。私自身、夫といると、DVのことばかり考えます。いつまた手を出されるだろう、どうやったら機嫌を損ねないだろう。頭の大半が夫にどう対処するかで埋まっていました。

この女性は「別れたい」と言いながら、実際に別れるための裁判所での手続きや慰謝料の話になると、急に興味を失った感じで「はあ」「はい」と気のない返事をします。

これはまずい。私は思いました。たぶん、この女性は夫と別れることはない。

夫を憎み、自分の不幸を呪い、その状態に身を置き続けた成れの果ての姿。大変失礼ながら、こう感じました。もうここまでくると、誰にも救いようがないと。そして、今のままだと、自分は十分この女性のようになり得る。

一人のあまり価値あるとは言えない人間、つまりDV加害者を憎み、呪い続けるために一生を費やす。そう考えるとぞっとしたんです。

DV加害者は子供を味方に付けようとする場合も少なくなく、そうなると、被害者は子供から尊敬されません。夫に蹂躙され、子供にも見下されて一生を終わるなんて。あり得ないと思いました。夫への過剰な期待で曇っていた視界が、開けた瞬間でした。

 

ちなみに番組は、ニッポン放送垣花正 あなたとハッピー」。ラテンな感じで明るい気分になれます。

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