DV被害の妻から伝えたい身近なDVの現実

DV被害の妻から伝えたい身近なDVの現実

配偶者からのDVを3人に一人の女性が経験しているとご存知ですか。DVは決して他人事ではありません。3年間DVを受けた体験から、被害者が自ら抜け出すことの難しさ、周囲の目の大切さを痛感しています。

ダブルスタンダードは虐待の可能性

ダブルスタンダードは虐待の可能性

パートナーから感じる違和感が、モラハラやDVといった虐待の色を帯びたものなのかどうか。判断の助けになるのが、ダブルスタンダード。パートナーがあなたにダブルスタンダードを適用するのは、自分のしたいことが優先されるべきという特権意識を持っているからです。

 

夫のダブルスタンダード

夫は私にダブルスタンダードを適用しました。こんな感じです。

 

私の基準:門限は9時。勤めていたころは、終業は6時で帰宅に1時間かかったので、飲み会は無理です。

夫の基準:門限なし。ベロベロに酔っぱらって終電で帰ることも珍しくありませんでした。

 

私の基準:「外食するとき、俺が大して興味がないエスニック系の店に行きたいとか言うな」(夫)

夫の基準:外食の行き先は6割方、夫が好きな特定の料理しか出さない居酒屋でした。私はもともと、そのタイプの居酒屋に行ったことはなかったし、その料理自体も全然興味がありませんでした。

 

私の基準:「俺の邪魔になることはするな。仕事の邪魔をするな」(夫)

夫の基準:私が何をしているかにおかまいなく、かまってほしいときは隣の部屋で大声を出して呼び出す。

 

私の基準:ちょっとでも気に障ることを言うと夫は怒る。

夫の基準:私に対して言いたい放題。

 

私の基準:私が怒るとヒステリーとか、頭がおかしいとか、怒りっぽいとか言う。別居後、夫の暴力行為や身勝手さについて怒ると、さんざんこう言われた。

夫の基準:瞬間湯沸かし器。いつどのタイミングで怒るか予想がつかない。怒りを辺りにぶちまけるのを良いことだと思っている。

 

お前は俺に借りがある

夫に文句を言おうとすると「お前の稼ぎが悪すぎる。言いたいことがあったら稼げ。稼げるようになったら聞いてやる」と言いました。暴力も「お前のためにやっている」と。

結婚のために会社を辞めて地方から首都圏に出てきたのは、完全に間違いだったと今は分かります。収入が少ない、養ってもらっているという負い目を、虐待者に対して持つのは最悪です。

 

パートナーから自信を奪う

同居後、私の自尊心はめちゃくちゃになりました。夫は私がいかに劣っていて、価値がなく、自分以外の人間に相手にされないかということを、懇切丁寧に教えてくれました。そうすれば、夫は自信をなくした私より上に立つことができ、自信を喪失してミスを繰り返す私に「ほらみたことか」と追い打ちをかけることができます

「懇切丁寧に教えてくれた」とあえて書いたのは、夫はそう思っているからです。善意で、呼吸をするように、パートナーをじりじりと追いつめていくことができます。

そうなった原因は、育った環境に負うところが大きそうです。善意の塊の狂気みたいなものを、私は夫の家族から感じました。

夫はパーソナリティ障害*1で、人格の偏りが顕著で、感情のコントロールができません。おそらくパーソナリティ障害の世代間連鎖ではないかと思うので、ちょっと特殊な加害者ではあります。ただ、精神疾患のないDV加害者であっても、養育環境の影響は大きいです。男尊女卑が強い環境で育つほど、加害者になる可能性は高まります。付け加えると、パーソナリティ障害のDV加害者は少なくありません。

 

自分の価値を下げるパートナーからは離れて

一緒にいると自分がどんどん無価値になっていくと感じる。そんなパートナーからは離れましょう。そういう本性が出てくるのは、往々にして関係が深まった後です。私の夫のように結婚後数か月で態度を変える場合も、珍しくありません。

関係の維持は、あなたの価値を本当に下げてしまいます。虐待に気づいた時点で、安全なところに避難する努力をしてください。現状維持は楽なようで、悲劇的な結果をもたらします。

 

 

こちらの書籍を参考にしました。

 

 

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*1:

認知や感情、衝動コントロール、対人関係といった広い範囲のパーソナリティ機能の偏りから障害(問題)が生じるもの

www.mhlw.go.jp